個人事業主である私がさまざまな業種を経験し、特に苦労した飲食店で見た現実についてお話をしたいと思います。
特に最近のフードデリバリーがこの先の飲食業界にどのような影響を与えていくのか、利用者の方々にも裏側に興味を持ってもらえればうれしいです。
フードデリバリーサービスとは?
フードデリバリーサービスとは、レストランやカフェなどから注文した料理を自宅やオフィスなど指定した場所に配達するサービスのことです。
利用者は、スマートフォンやパソコンを使って、専用のアプリやウェブサイトからメニューを選び、オンラインで注文と支払いを行います。
その後、配達員がレストランで料理を受け取り、指定された場所に注文されたメニューを届けます。
フードデリバリーサービスは、忙しい生活を送る人々や自宅で快適に食事を楽しみたい人々にとって非常に便利です。
忙しい生活を送る人々や自宅で快適に食事を楽しみたい人々にとって非常に便利ですが、飲食店側から見たサービスはどのようなものでしょうか…?
いつから流行り出した?
日本でフードデリバリーサービスが本格的に普及し始めたのは、2010年代後半からです。
特に、2016年に「Uber Eats」が東京でサービスを開始したことがきっかけとなり、その後、他のフードデリバリーサービスも次々と参入し、市場が急速に拡大しました。
その普及を加速させた要因の一つが、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックです。
外出自粛や飲食店の営業時間短縮が求められた中、多くの人々が自宅での食事を余儀なくされ、フードデリバリーの需要が急増しました。
これにより、多くの飲食店がデリバリーサービスを活用し、消費者の間でもフードデリバリーの利用が日常的なものとなり、現在もその人気が続いている状態です。
フードデリバリーのメリット、デメリット
利用者側
- 👍️便利、楽
レストランまで足を運ばずにお店のメニューを食べられるのは、何よりもうれしいですよね。 - 👎️不健康、高価
配達してもらう代わりに手数料・送料分が上乗せされ、人々はどんどん出不精になっていきます。
飲食店側
- 👍️認知拡大
日常で行動範囲外のお店でも、アプリに載っていれば目に入る機会が増えます。 - 👎️機械的、不透明な相手
注文受付はベル音1つで知らされ、口コミ以外で利用客の反応をみる手段がありません。
海外のフードデリバリー事情
海外での事例
- アメリカでは配達員のつまみ食い頻発
- 大幅遅刻もあり etc.
上記は代表的な2例ですが、日本ではまず考えられないような例ですよね。
特に、日本のとあるサービスでは1時間以上も配達員が見つからない場合は、自動キャンセルとなり注文金額は返金されるので、それ以上の遅延はないと思われます。
日本での事例
日本では海外のような問題行動がない分、サービスが優れているのは間違いないと思います。
ただ、一昔前は牛丼の売り文句で合った「早い、安い、うまい」が今や当たり前とされる風潮にあり、それが飲食店側を苦しめる原因の一つとなっていると言っても過言ではありません。
配達遅れは低評価、不景気でも食品のサイズが小さくなっただけで悪い口コミなど、味のクオリティー以前の問題で飲食店の評価がされがちなのです。
フードデリバリーがもたらす飲食業界の未来とは?
飲食店を辞めた今だからこそ言いたい本音
「お店の味を家庭に」と謳っているデリバリーサービス、、配達時間がかかる時点で料理は冷めることだけはちゃんと伝えろ!それを良しとする人だけが頼め!!冷めたらレンチンしてくれ!!
私自身が働いていた時、特に多かった低評価の内容の7割以上が「冷めていた」「冷えていておいしくない」でした。
当時の店は作り置きは一切なく注文が入り次第調理していたので、配達員に渡すときはアツアツの状態だけど、そりゃ配達に数十分かかれば料理も冷めるのは当たり前ですよね。
温かさを保つ特殊加工の容器は値段が格段に上がるし、梱包の手間もかかれば店として料理の価格を上げることも不可避です。
フードデリバリーを全面否定したくはない
ここまでいろいろ語ったものの、私自身もフードデリバリーで注文することも多いので便利で助かっていることは日々感じています。
今回は、飲食店側から言わせてもらうことがテーマだったので、利用者側からは見えていないかもと思ったマイナス面を多く書いてしまいました。
ただ、フードデリバリーが普及してからは店内利用客が減って、出来立ての料理を食べてもらったり、お客様と話してたまにはサービス品を出したり…という人対人の関わりがなくなったと思います。
お客様の顔が見えない、配達されたらアフターフォローができないからこそ、店はちょっとしたケアレスミスも許されません。
また、匿名の口コミで必要以上に攻撃的な言葉を残されることも、店側のストレスとして積もっていきます。
飲食業界が淡白かつ冷たくなった印象はありますが、フードデリバリーの便利さを享受しながらも飲食関係者が疲弊しない世界になることを願うばかりです。
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